人の身体に触れる仕事をしていると、
手のひらには不思議な記憶が残るような気がする。
もちろん、科学的に「記憶」が残っているわけではない。
それでも、
以前誰かを癒したときの温もりや、
心地よい触れ方が、
知らないうちに自分の手に染み込んでいるように感じることがある。
人の身体にはたくさんの微生物が暮らしているけれど、
手を介して何かが受け渡されることもある。
目に見えるものも、見えないものも。
そして何より、手の温かさは確かに伝わる。
「なんだか安心する」
そんな一言をいただいたとき、
手のひらが覚えているものは、
技術だけではないのかもしれないと思う。
これからも、優しい時間を手のひらに重ねていきたい。