薔薇を見に出かけた。
色とりどりの花が咲き誇る庭園はとても美しくて、一輪ずつ眺めながらゆっくり歩いた。
薔薇は華やかな花という印象があったけれど、近くで見るとそれぞれ表情が違う。
凛と咲く花もあれば、柔らかく微笑むような花もある。
そんな姿を見ていると、これまで出会った人たちのことを思い出した。
今は会えなくなった人も、遠くで暮らしている人もいるけれど、その時間は今も私の中で静かに息づいている。
人生は思っていたより短くて、思っていたより温かい。
初夏の風に揺れる薔薇を眺めながら、そんなことを考えた午後だった。